事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号平成27(ネ)695
判決日2019-04-25
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文民法715条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり補正するほか
は,原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要等」の2及び3(原判
決5頁8行目から28頁24行目まで)に記載のとおりであるから,これを引
用する。
原判決5頁22行目の「被告医師ら」を「一審被告医師ら」に,23行目
の「被告Iら」を「一審被告Iら」にそれぞれ改める。
原判決7頁11行目の「上回り」を「上回る」に改める。
原判決8頁17行目冒頭から19行目末尾までを次のとおり改める。
「 また,一審被告Hは,執刀医ではあるが,主治医と協働して術後管理に関
与すべき立場にあるから,①医師の待機の必要性や②術後の指示内容等を協
議し検討すべき義務を負っていた。そして,一審原告Aにおける生命に関わ
る術後リスクに照らせば,容態の急変に適切に対応できるようにするべく,
①執刀医又は主治医のうち少なくとも1人の医師が残る体制を採るべきであ
り,仮に医師が残る体制を採らないのであれば,当直医や看護師に一審原告
Aの状態を告げ,②適切な術後指示をすべきであった。
しかるに,一審被告Hは,①医師の待機の必要性や②術後指示の内容等に
ついて,主治医である一審被告Iらと協議・検討することなく,漫然と医師
としての経験年数の最も少ない一審被告Kにその判断を任せた結果,適切な
術後管理を怠った過失がある。」
原判決9頁8行目末尾を改行の上,次を加える。
「 すなわち,まず,①クローン病が他の疾患と比較して特に術後出血の発生
する確率が高いわけではない。また,②術中の出血量と術後出血の発生頻度
との間に相関関係があることを示す客観的な医学的知見やデータは何ら存在
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しない。加えて,③クローン病患者は,手術とは無関係に原因不明の出血が
事前に何の徴候も無く生じることがあり得る。現に,本件手術後に一審原告
Aに生じた出血部位は,本件手術時の出血部位とは異なる部位であった。し
たがって,一審被告医師らにおいて一審原告Aに本件手術時の出血部位と異
なる部位から出血が生じることを予測することは極めて困難であったから,
本件において,一般的な術後合併症としての域を超えて,術後出血を念頭に
置いた術後管理を行う必要はなかった。」
⑸ 原判決9頁13行目の「また,」から14行目末尾までを次のとおり改め,
19行目の「本件において殊更に,」の後に「脈拍数などの」を加える。
「 そもそも,本件において,術後出血を念頭に置いた術後管理を行う必要が
なかったことは前記のとおりである。
仮に,そのような術後管理を行う必要があったとしても,医療現場での実
際の患者の病態の評価,判断に際しては,抽象的な数字や理論を機械的に当
てはめることが求められるのではなく,患者の現実の個別具体的な症状の経
過等を前提とした判断が必要となる。
本件手術後

主文(判決文より)

1 一審原告らの控訴提起事件について
原判決中,一審原告Aに関する部分を次のとおり変更する。
一審被告大学,一審被告I,一審被告J及び一審被告Kは,連帯し
て,一審原告Aに対し,1億6115万1593円及びこれに対する
平成21年5月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支
払え。
一審原告Aの一審被告大学,一審被告I,一審被告J及び一審被告
Kに対するその余の請求並びに一審被告H及び一審被告Lに対する請
求をいずれも棄却する。
その余の一審原告らの控訴をいずれも棄却する。
2 一審被告大学,一審被告I,一審被告J及び一審被告Kの控訴提起事
件について
一審被告大学,一審被告I,一審被告J及び一審被告Kの控訴をいず
れも棄却する。
3 訴訟費用は,第1,2審とも,一審被告H及び一審被告Lに生じた
費用は一審原告らの負担とし,その余の費用は各自の負担とする。
4 この判決の第1項 は,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。