事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号令和1(ネ)519
判決日2020-07-14
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点についての当事者の主張
被控訴人には,本件高校の設置者として,亡Aに対する安全配慮義務違反
があったか(争点 )
【控訴人らの主張】
ア 学校の設置者の生徒に対する安全配慮義務
学校の設置者には,学校の教育活動及びこれに密接に関連する生活関係
における生徒の安全の確保に配慮すべき義務があり,特に,生徒の生命,
身体,精神,財産等に大きな悪影響ないし危害が及ぶおそれがあるような
ときには,その現実化を未然に防止するため,その事態に応じた適切な措
置を講じる一般的な義務(安全配慮義務)がある。
そして,学校の管理下で発生したいじめは,教育活動及びこれに密接に
関連する生活関係における生徒の安全を害する行為であり,いじめを受け
た生徒の健全な成長及び人格形成に重大な影響を与えるのみならず,その
生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるから,その設置者
は,いじめを認識した場合には,直ちに,被害生徒をその精神的苦痛から
解放すべく,その事態に応じた適切な措置をとるべき義務を負う。
イ 亡Aの置かれていた状況
亡Aは,以下のとおり,7月上旬までの時点において,同級生の寮生で
あるBやCから重大ないじめ行為を受けるなどして精神的に著しい悪影
響を受けた状況にあった。
本件寮の環境
亡Aは,4月以降,日常生活のほとんど全てを本件高校又は本件寮の
いずれかで過ごしていたところ,本件寮は,1年生が上級生と同室で日
常生活を行わなければならない上,1年生が各種当番を担当する等の「裏
寮則」と呼ばれる暗黙のルールが存在し,その遵守が上級生からの「シ
メ」と呼ばれる指導によって1年生に強制されており,その環境は,1
年生である亡Aらにとって,非常に負荷が大きいストレスのかかる閉塞
的なものであり,寮生らの負担感,不公平感等の不満を増強させ,寮内
におけるいじめや紛争を誘発するものであった。
亡Aは,不合理・不適切な「裏寮則」に適応できず,「シメ」の際に個
人名を挙げて強い叱責を受けたり,連帯責任を負うものとされた他の1
年生から注意を受けたりすることがあり,それらの回数も他の1年生に
比べて多かったため,「寮生活が嫌だ。」と口にして,泣くこともあった。
また,寮内で唯一1年生が自由に会話をすることができる場所であった
休養室は,BやCが頻繁に利用していたため,亡Aは,気軽に利用する
ことができず,孤独感を募らせた。
Bらとのトラブル
亡Aは,4月から7月8日までの間,Bから,以下の各「いじめ」行
為を受けていた。
a 弁当当番の押し付け
本件寮の弁当当番(寮生が学校で食べた昼食の弁当の箱を洗う当番)
は,事実上,1年生の寮生のうち体育系の部活動に参加していなかっ
た亡A,B及びCを含む4名のみが交代で担当することが常となって
いたが,特に,5月頃以降,B及びCが

主文(判決文より)

1 控訴について
本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴人らの当審における予備的請求について
被控訴人は,控訴人甲に対して,165万円及びこれに対する平成25年
8月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
被控訴人は,控訴人乙及び控訴人丙に対し,それぞれ27万5000円及
びこれに対する平成25年8月17日から支払済みまで年5分の割合による
金員を支払え。
控訴人らのその余の予備的請求をいずれも棄却する。
3 当審における訴訟費用は,これを20分し,その1を被控訴人の,その余を
控訴人らの各負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。