保護責任者遺棄致死

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号令和4(う)206
判決日2022-11-09
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は
量刑であると整理され、被告人と共犯者との関係性や、被告人が共犯者に生活全般
を支配されていたこと(いわゆるマインドコントロールを受けていたこと)を量刑
上どのように評価すべきかが問題となった。
3 原審検察官は、本件の主犯は共犯者であり、被告人が、共犯者から家族の生
活全般を支配されてその影響を受けていたことは酌むべき事情であるが、被告人の
責任を大きく減ずる事情とはいえないなどと主張して、懲役10年を求刑し、原審
弁護人は、被告人が、共犯者から心理的支配を受けていた結果、行動選択の幅は狭
まっていた旨主張して、執行猶予付きの判決を求めた。
第2 原判決の量刑判断
1 原判決は、本件犯行に至る経緯等につき、概要、以下のとおり説示した。
被告人は、平成20年に婚姻して被害者を含む3児に恵まれ、被告人の母や
姉が近隣に住む a 町内のマイホームで、円満な家族関係の中、経済的にも不自由の
ない生活を送り、専業主婦として3人の子を愛情深く養育していたが、平成28年
4月頃に「ママ友」として知り合い、それ以降親交を深めていた共犯者の影響によ
り、その生活は一変することになった。
すなわち、被告人は、平成30年5月頃、共犯者から、「被告人や共犯者が、
他のママ友の悪口を言ったなどとして、そのママ友から裁判を起こされそうになっ
たが、暴力団組織を背景に持つボスと呼ばれる女性が介入してくれたため、被告人
や共犯者が各50万円を支払うことで示談が成立した」などという嘘を吹き込まれ、
示談金として50万円を共犯者に支払ったのを始めとして、「ボスが金を取り戻す
ため、ママ友に対する裁判を提起してくれるが、裁判で勝つためには贅沢な生活を
してはならない。裁判の内容は家族も含め誰にも話してはいけないなどの条件も守
らなければならず、これに違反すると、罰金が科せられ、勝訴しても金を手に入れ
ることができない」とか、「条件に違反していないかを監視するため被告人の周辺に
は多数のスパイが配置され、被告人方の隣家に監視カメラが設置されている」とか、
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「多数のママ友が参加するグループラインが作られ、そこでも被告人が監視された
り、悪口を言われたりしている」といった共犯者の嘘を信じて、多額の現金を罰金
等として共犯者に支払った。
また、被告人は、共犯者から、「ボスの調査により被告人の夫が浮気をしてい
ることが分かった。夫は、被告人の母や姉とも肉体関係がある」などという嘘を吹
き込まれてこれを信じ、母や姉との関係を絶ったり、平成31年1月末頃、夫に転
居先を告げずに、子供3人を連れて a 町内のアパートに引っ越した上、令和元年5
月に離婚したりするなど、徐々に家族や友人らとの人間関係が遮断されていった。
以後、被告人は3人の子供を一人で養育するようになったが、共犯者から、
「ボ

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中80日を原判決の刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。