損害賠償等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号令和4(ネ)663
判決日2023-12-21
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法2条1項、民法709条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張
⑴ 被控訴人の給水義務に関する債務不履行責任の成否(主位的請求関係)
(被控訴人が控訴人らに対し給水義務を負うか否か、本件断水が、水道
法15条2項ただし書に定める場合に当たるか否か)
(控訴人らの主張)
ア 水道法15条2項ただし書の「災害その他正当な理由があってやむを
得ない場合」とは、①災害等の回避困難な事象が発生し又は発生する可
能性が相当程度認められ、かつ、②これを理由として給水停止すること
が、水道法の趣旨に却って合致すると認められることに加え、③水道事
業者による水道施設の管理義務の懈怠や水道施設の設置又は管理の瑕疵
を原因とする給水停止ではない場合であることを要すると解される。
イ 被控訴人は、給水契約上及び水道法上、控訴人らに対する給水義務を
負っていたほか、水道施設を適切に点検し、必要な修繕を行うなどして、
断水発生を防止する義務及び万が一断水が発生した際は、可及的速やか
にこれを解消する義務を負う(水道法1条、2条、5条、15条等)。
また、被控訴人は、上記の義務を果たす前提として、水道施設の損耗
の程度及び更新すべき時期等を的確に把握・検討し、耐用年数が近づい
た場合は代替品をあらかじめ取り寄せておき、適切な時期にこれを交換
するなどして、本件ボールタップの経年劣化に伴う突然の故障を予防し、
仮に故障が発生したとしても即応できるように事前に準備をすべき義務
があった。
しかし、被控訴人は、本件ボールタップの設置から約40年が経過し、
耐用年数の経過が目前に迫ることが優に推察可能な状況下においてもな
お、本件ボールタップを含む本件配水池及びこれを構成する装置、部品
類の計画的更新の検討を怠った。被控訴人は、本件ボールタップについ
て、その保守管理を平成26年以前はしておらず、支柱の錆や腐食を防
止するメンテナンスをしていなかった。このように、被控訴人は、上記
各義務に違反した。
ウ 被控訴人は、株式会社C(以下「C」という。)に委託していたのは、
本件配水池の計装設備の保守点検であり、本件ボールタップの保守点検
が被控訴人と同社間の業務委託契約の対象とはなっていなかった。
エ 以上からすると、本件断水は、水道法15条2項ただし書の「災害そ
の他正当な理由があってやむを得ない場合」には当たらず、被控訴人は
給水義務を負っていたが、これに違反した。
(被控訴人の主張)
ア 本件条例16条1項の「水道施設の損傷」があり、被控訴人において
水道施設の維持、管理について過失がない場合には、水道法15条2項
ただし書の「災害その他正当な理由があってやむを得ない場合」に当た
ると解される。
イ 被控訴人は、水道施設保全業務(集中監視設備・揚水施設及び計装設
備)を年2回、専門業者に調査委託しており、それには、本件配水池の
計装設

主文(判決文より)

1 第1審判決を次のとおり変更する。
2 被控訴人は、控訴人Aに対し、88万2000円及びこれに対する平成3
0年6月29日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3 被控訴人は、控訴人Bに対し、111万円及びこれに対する平成30年1
0月6日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
4 控訴人らのその余の主位的請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は、全審級を通じてこれを2分し、その1を控訴人らの負担とし、
その余を被控訴人の負担とする。
6 この判決は、第2項及び第3項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。