事件の基本情報
| 裁判所 | 福岡高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和4(ネ)197 |
| 判決日 | 2024-10-02 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条、民法709条、民法715条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1)(被控訴人A及び同Bが平成27年10月5日から同月6日にかけて 本件学生に対して行った各行為の内容)、争点(2)(被控訴人国の安全配慮義務 違反の有無)について 25 原判決「事実及び理由」欄の第3の1及び2に記載のとおりであるから、こ れを引用する。 2 争点(3)(被控訴人国の安全配慮義務違反と本件学生の死亡との間の相当因果 関係の有無)について (1) 本件学生が自死に至る機序について 以下のとおり補正するほか、原判決「事実及び理由」欄の第3の3(1)に記 5 載のとおりであるから、これを引用する。 ア 原判決47頁19行目「(前記第2の2(7))」の次に「、他の医師も、 適応障害あるいは重症うつ病エピソードを発病していたと意見を述べてい ること(甲73、76、95、乙49、50)」を付加する。 イ 原判決47頁20行目から21行目「違法な指導を一つの要因として適 10 応障害を発症し」を「違法な指導を一つの要因として適応障害あるいは重 症うつ病エピソードを発症し」に改める。 (2) 相当因果関係の有無について ア 心理的負荷による精神障害の労災認定基準や精神疾患等の公務上災害の 認定基準は、特定の精神疾患(ICD-10のF0からF4に分類される 15 もの)を発症後に症状が継続していた場合、当該精神疾患の病態として自 死念慮が出現する蓋然性が高いと医学経験則上認められることを前提に、 公務により当該精神疾患(ICD-10のF2からF4に分類される精神 障害を想定)を発症し、その後症状が継続していた場合には、特段の事情 が認められない限り、公務による精神疾患が正常な認識、行為選択能力を 20 著しく阻害するなどして自死に至ったものとして、公務と自死との相当因 果関係を推認する旨定めているところ、適応障害もその精神疾患に含まれ るとしており(甲30、44の1、84)、ICD-10と並んで世界的 に精神疾患の診断基準として用いられているDSM-Ⅴでは、適応障害が 自死既遂の危険の増加と関連する旨や適応障害が自死行動の見られる精神 25 疾患である旨が記載されている(甲35、73、95)。 さらに、複数の医師が、適応障害によっても自死が起こる危険性は高い との意見を述べ(甲73、76、95)、同医師らは、いずれも本件学生 の受けた心理的負荷が強度であり、公務外の心理的負荷は見当たらず、本 件学生に素因と評価できるようなぜい弱性も存在しないと意見を述べてい ること(甲73、76、95)を踏まえると、本件学生が、被控訴人A及 5 び同Bの違法な指導によって適応障害あるいは重症うつ病エピソードを発 病し、それらの精神疾患が原因となって自死に至ったことは、想定される 範囲内の予見可能な経過と評価できるから、被控訴人A及び同Bの違法な 指導と本件学生の自死と
主文(判決文より)
1 原判決中被控訴人国に関する部分を次のとおり変更する。 2 被控訴人国は、控訴人父に対し、3361万2057円及びこれに対する 令和元年8月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 3 被控訴人国は、控訴人母に対し、3361万2057円及びこれに対する 令和元年8月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 控訴人らの被控訴人国に対するその余の請求を棄却する。 5 控訴人らの被控訴人A及び同Bに対する本件各控訴をいずれも棄却する。 6 訴訟費用は、控訴人らと被控訴人国との関係では、第1、2審を通じてこ 10 れを5分し、その1を控訴人らの負担とし、その余を被控訴人国の負担と し、控訴人らと被控訴人A及び同Bとの関係では控訴費用を控訴人らの負担 とする。 7 この判決は、第2項及び第3項に限り、本判決が被控訴人国に送達された 日から14日を経過したときは、仮に執行することができる。ただし、被控 15 訴人国が各控訴人に対して3000万円の担保を供するときは、対応する控 訴人との関係でその仮執行を免れることができる。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。