損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件

事件の基本情報

裁判所福岡高等裁判所
事件番号令和5(ネ)187
判決日2024-11-12
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
⑴ 本件情報隊名簿の記載が違法であったか。
⑵ 本件人事に関連して、a方面総監に義務違反があったか。
⑶ 本件公務災害認定に至る手続に違法な点があったか。
⑷ 被控訴人の損害の額
5 争点に関する当事者の主張
⑴ 争点⑴について
(被控訴人の主張)
訓令によって定められている順位は自衛官の順位だけであり、部隊名簿は、
一般に自衛官の順位を表すものである。自衛官の順位は隊員に明示されなけ
ればならないが、部隊名簿以外にその手段はない。控訴人が主張するような、
階級昇任年月日順に記載するというような複雑な通例はなく、補職編成によ
る名簿は必要により別途作成される。
部隊名簿である本件情報隊名簿(乙10)は、同隊内の自衛官の順位を
表すものであり、陸上幕僚長が定めた幹部自衛官の順位を逆転させて作成
することは許されないものであるところ、a方面総監は、本件情報隊名簿
を作成するに当たり、自衛官の順位が上位である被控訴人を下位であるA
3佐の下に記載し、これを被控訴人が自衛隊を退職するまで変更しなかっ
たが、これは違法な行為である。
(控訴人の主張)
部隊名簿は、部隊運営に係る事務の便宜を図るために事実上作成される
ことがあるものに過ぎず、必ず作成されるものではなく、部隊名簿作成の
根拠や方式を定める法令もない。そして、部隊名簿においては、隊長、副
隊長、それ以降の部隊員を階級昇任年月日順に記載することが通例となっ
ており、この記載方法は社会通念に照らして一般的な事務処理である。ま
た、部隊名簿の記載方法については、作成者である部隊の長等の広範な裁
量に委ねられているものと解されるところ、本件情報隊名簿に裁量の範囲
の逸脱や濫用はない。
なお、本件情報隊においては、被控訴人の指摘を受け、平成31年3月
26日に本件情報隊名簿の修正等の指示が出され、その後は、班編成で表
示した形式の名簿が使用されており、本件情報隊名簿は被控訴人が班長で
あった処理班のみに存し、本件情報班全体で使用されていたものではなか
った。
⑵ 争点⑵について
(被控訴人の主張)
本件人事(各補職)そのものは直ちに違法ではないが、補職権者である
a方面総監としては、補職に当たり、自衛官の順位と指揮権の行使の順位
を特段の事由もなく逆転させることは避けるべきであり、やむを得ず逆転
人事を行う場合は、当事者へ事前に説明し、隊内でも関係者に説明をし、
できるだけ速やかに逆転人事を解消すべき義務があるところ、a方面総監
は、これらの義務を怠った。
(控訴人の主張)
自衛隊員の補職は、人事評価に基づき、組織の管理運営全般の事情を考
慮してされるもので、基本的に、補職権者の広範な裁量に委ねられている。
被控訴人の主張は自衛官の順序を過大に評価するもので、理由がない。本
件人事の当時、自衛官の順位と臨時の部

主文(判決文より)

1 本件附帯控訴を棄却する。
2 本件控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。
3 控訴人は、被控訴人に対し、1万1000円及びこれに対する令和3年2月
18日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
4 被控訴人のその余の請求を棄却する
5 訴訟費用は、第1、2審を通じて被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。