特許権侵害差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成28(ネ)10010
判決日2016-12-21
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法102条2項
当事者控訴人 JX金属株式会社/被控訴人 田中貴金属工業株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点(1)イ(構成要件2-Cの充足性)について
〔控訴人の主張〕
被告製品において,ターゲット中に占める長軸と短軸の差が0~50%である球
形の合金相(B)の体積の比率は4%以上40%以下であるから,被告製品は,構
成要件2-Cを充足する。
ア 「球形」の定義
(ア) 本件明細書等には,「球形」の定義として,「球形そのものを確認するこ
とが難しい場合は,相(B)の断面の重心と外周までの長さの最小値に対する最大
値の比が2以下であることを目安としてもよい。」(【0018】)とあり,球形
か否か判別が困難な場合は,相(B)の断面の重心と外周までの長さの最小値に対
する最大値の比が2以下であるか否かで判断することが明記されている。
このように,重心と外周までの長さの最小値に対する最大値の比が2以下のもの
を「球形」と規定されていることから,相(B)の単位が,1つの外周で描けるか
否かで定めることは当然に導かれる。
(イ) また,混合によって球形の粉末の形状が扁平になっていたとしても,相の
- 3 -
重心から外周までの長さの最小値に対する最大値の比が2以下であれば,拡散が進
みにくく,組成不均一な相(B)となりやすい。そこで,本件明細書等では,球形
か否か判別が困難な場合において,「球形」の定義を,1つの外周で描けることで
規定される相であって,該相の重心から外周までの長さの最小値に対する最大値の
比が2以下のものとしているのである。したがって,相(B)の単位を,1つの外
周で描けるか否かで定めることは,本件明細書等に記載された相(B)を「球形」
とする技術的意義に合致し,本件明細書等の記載に沿うものである。
(ウ) したがって,「球形」か否か判別が困難な場合において,「球形の合金相
(B)」として最大限認められる範囲は,1つの外周で描けることで規定される相
であって,該相の重心から外周までの長さの最小値に対する最大値の比が2以下の
ものである。
イ 球形の合金相(B)の体積の比率
甲26陳述書のとおり,被告製品の球形の合金相(B)のターゲットに占める体
積比率は,35.3%である。
すなわち,乙9報告書において,球形の合金相(B)の体積比率は45.12%
とされているところ,乙9報告書において球形とされた相から,正しい「球形」の
合金相(B)の基準(前記ア)に該当しない相(合金相番号10,11,12,1
3,14,16,30,31,32,34,35,41,45,48,51,52,
53,54,58,61,62,63,66,67,68,70,77,78,7
9,80,81,83,85,86,87,93,97,99,104,106,
108,110,111,113,117,118,122。なお,合金相番号に
ついては,原判決48頁の画像参照。以下同じ。)を除外すれば

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。