事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行ケ)10145 |
| 判決日 | 2016-12-22 |
| 分類 | 知的財産 / 商標 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 商標法4条1項11号 |
| 当事者 | 原告 株式会社Tondo/被告 社会福祉法人めぐむ福祉会 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点は,類否判断をする前提として,本件 商標の「くれないケアセンター」という構成部分のうち「くれない」という一部を 抽出し,この部分のみを比較の対象として引用商標との類否を判断することができ るかどうかという点である。 1 原告の主張 本件商標は,「くれない」,「ケア」,「センター」の三つの部分から構成されるもの である。このうち,「ケア」という構成部分は,一般にこれを修飾する語と組み合わ せて使用されるから,「ケアセンター」のみが単独で使用されるのは不自然である。 また,暖かい感じを与える暖色をも意味する「くれない」という構成部分は,介護 関連施設を表す名称として一定程度以上の高い割合で使用されている慣用語である から,需要者が当該部分から強く支配的な印象を受けることはない。このように, 本件商標の三つの構成部分は,いずれにおいても単独で出所識別機能を有する部分 はなく,また,本件商標は,外観の構成上まとまりよく一体に表されているから, 類否判断において分離抽出されるべき構成部分はない。そうすると,本件商標は, その構成全体が一体不可分のものとであると認めるべきであるから,「くれない」と いう構成部分のみを分離抽出して類否判断をすべきではない。 したがって,本件商標の「くれないケアセンター」と引用商標の「くれない」は, 外観,称呼及び観念が共通するものではなく,類似するということはできない。 2 被告の反論 本件商標は,「ケアセンター」という用語が介護関連の福祉サービス全般で非常に 幅広く使用されていることからしても,平仮名の「くれない」と片仮名の「ケアセ ンター」の2つの部分から構成されているというべきである。このうち,「ケアセン ター」という構成部分は,役務の提供場所を表すにすぎず,需要者は施設における 業態の内容を表示するものとして認識するといえるから,この構成部分が需要者に 対し役務の出所識別機能を有するものではない。他方,「くれない」という構成部分 は,その用語自体が介護関連施設を表す名称として一定程度以上の高い割合で使用 される慣用句であるということはできず,強く支配的な印象を与えるものであるか ら,需要者に対し役務の出所識別機能を有するものといえる。そうすると,本件商 標の「くれない」という構成部分は,本件商標の要部として分離抽出し,当該構成 部分と引用商標との類否判断をするのが相当である。 したがって,本件商標の「くれない」と引用商標の「くれない」は,外観,称呼 及び観念が共通するから,類似するというべきである。
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。