はじめに
「取引先が期日を過ぎても代金を支払ってくれない」。中小企業にとって、売掛金の未回収は資金繰りに直結する深刻な問題です。
本記事では、売掛金が回収できない場合に取りうる一般的な手順を、段階を追って解説します。
<p style="background:#fff3cd;padding:12px;border-radius:6px;font-size:0.95em;">
※ 本記事は一般的な法制度の解説です。個別の事案については弁護士にご相談ください。
</p>
まず確認すべきこと
対応を始める前に、以下の点を確認します。
売掛金の消滅時効
2020年4月の民法改正により、債権の消滅時効は以下のように統一されました。
- 権利を行使できることを知った時から5年
- 権利を行使できる時から10年
のいずれか早い方で時効消滅します。
段階的な回収手順
第1段階:電話・メールによる督促
まずは通常のビジネスコミュニケーションとして、電話やメールで支払いの督促を行います。
- 支払期日を過ぎている事実を伝える
- 支払い予定日を確認する
- やり取りの記録を残しておく
第2段階:書面による督促
口頭での督促で解決しない場合、書面(請求書の再送付や督促状)を送付します。
第3段階:内容証明郵便による催告
書面での督促にも応じない場合、内容証明郵便で催告書を送付します。
弁護士名義で送付すると相手方の対応が変わることがあるとされています。
第4段階:法的手続きの検討
催告にも応じない場合は、法的手続きを検討します。
利用可能な法的手続き
支払督促
裁判所の書記官に申し立てる簡易な手続きです。
少額訴訟
60万円以下の金銭請求に利用できる簡易な裁判手続きです。
通常訴訟
請求額が大きい場合や、上記の手続きで解決しない場合は通常訴訟を提起します。
民事調停
裁判所で調停委員を介して話し合いで解決を目指す手続きです。訴訟よりも柔軟な解決が可能ですが、相手方が出頭しない場合は成立しません。
強制執行
勝訴判決や支払督促の確定後も支払いがない場合、強制執行を申し立てることができます。
回収を困難にする要因
以下のような場合、判決を得ても実際の回収が困難になることがあります。
- 相手方に資力(支払能力)がない場合
- 相手方の財産の所在が不明な場合
- 相手方が法人で既に事業を停止している場合
- 債権が時効消滅している場合
未回収を防ぐための日頃の対策
- 契約書の作成(口頭のみの取引を避ける)
- 与信管理(取引先の信用状況の確認)
- 支払条件の明確化(支払期日、遅延損害金の定め)
- 小口取引からの開始(新規取引先とは少額から取引を始める)
弁護士みつかるで弁護士を探す
売掛金の回収は、早期に専門家に相談することで回収可能性が高まるとされています。弁護士みつかるで実績データから弁護士を探すことで、民事分野の訴訟実績がある弁護士を確認できます。
---
ご注意(免責事項)
本記事は、法令や公的機関の公開情報に基づく一般的な制度解説であり、個別の事案に対する法的アドバイスではありません。 具体的な対応については、必ず弁護士にご相談ください。
弁護士みつかるでは、裁判所公開の判例データに基づく弁護士の訴訟実績を確認できます。お悩みの分野に実績のある弁護士を弁護士みつかるで実績データから弁護士を探すからお探しください。