はじめに
借金の返済が困難になった場合、自己破産は法的に借金をゼロにできる最終的な手段です。「自己破産」と聞くと重大なイメージがありますが、破産法に基づく正当な法的手続きであり、年間約7万件が申し立てられています。
本記事では、自己破産の手続きの流れ、費用、メリット・デメリットを詳しく解説します。
自己破産とは
自己破産とは、裁判所に申し立てを行い、借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。破産法に基づいて行われ、「免責許可決定」が出れば、原則としてすべての借金がゼロになります。
自己破産ができる条件
- 支払不能の状態: 現在の収入・資産では借金を返済できない状態
- 免責不許可事由に該当しない: ギャンブルや浪費が主因でないこと(ただし裁量免責あり)
- 過去7年以内に免責を受けていない: 前回の免責から7年以上経過していること
自己破産の手続きの流れ
ステップ1:弁護士への相談・依頼
弁護士に自己破産の相談をし、他の債務整理方法(任意整理・個人再生)との比較を行います。
ステップ2:受任通知の発送
弁護士が各債権者に受任通知を発送します。これにより、債権者からの督促が止まります。
ステップ3:書類の準備
以下の書類を準備します。
- 財産目録(預貯金、不動産、車など)
- 債権者一覧表
- 家計収支表(直近2ヶ月分)
- 給与明細、源泉徴収票
- 住民票、戸籍謄本
ステップ4:裁判所への申立て
弁護士が必要書類を整えて裁判所に破産の申立てを行います。
ステップ5:破産手続開始決定
裁判所が破産手続開始を決定します。同時廃止(財産がない場合)か管財事件(財産がある場合)かが決まります。
ステップ6:免責審尋
裁判官との面接(免責審尋)が行われます。通常は5〜10分程度の形式的なものです。
ステップ7:免責許可決定
裁判所が免責を許可すると、借金の支払い義務が免除されます。
費用の目安
※法テラスを利用すれば、弁護士費用を分割払いにできる場合があります。
自己破産のメリット
- 借金がゼロになる: 免責が認められれば全額免除
- 督促が止まる: 弁護士依頼時点で督促が停止
- 財産の一部は残せる: 99万円以下の現金、生活必需品は保持可能
- 収入は自由に使える: 破産後の収入は自由に使えます
自己破産のデメリット
- 信用情報への登録: 5〜10年間、ブラックリストに登録される
- 官報への掲載: 官報に氏名と住所が掲載される
- 職業制限: 手続中は一部の職業に就けない(保険外交員、警備員など)
- 財産の処分: 不動産や高額な車は処分される
- 保証人への影響: 保証人が支払い義務を負う
免責不許可事由
以下に該当する場合、免責が許可されない可能性があります(破産法第252条)。
- ギャンブルや浪費による借金
- 財産の隠匿や虚偽申告
- 特定の債権者にのみ返済する偏頗弁済
- 裁判所への虚偽の説明
ただし、上記に該当しても、裁判所の判断で免責が認められる「裁量免責」の制度があり、多くのケースで免責が認められています。
弁護士に相談するメリット
自己破産は複雑な法的手続きです。弁護士に依頼することで:
- 受任通知により督促が即座に停止する
- 書類作成から裁判所対応まで一括して任せられる
- 免責が認められる可能性を最大化できる(裁量免責の主張など)
- 他の債務整理方法との比較検討ができる
- 手続き中の不安や疑問に随時対応してもらえる
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